日本古来の在来馬『与那国馬』を公開します

上野動物園では日本在来家畜の収集・展示に力を注いでいます。この度、在来馬の「与那国馬」が与那国馬保存会より来園し、無事に検疫が終了したので公開することになりました。この「与那国馬」が加わり、上野動物園で飼育している在来馬は4種(木曽馬、野間馬、トカラ馬、与那国馬)になりました。

公開日 4月6日(火)
9時30分~
※動物の体調等により、早めに室内に戻す場合や展示を中止する場合があります。
公開する与那国馬 オス1頭
展示場所 子ども動物園 曲屋横
在来馬と与那国馬について 日本では明治に入るまで、ウマと言えば在来馬のことでした。古来から日本人は、生活の中で在来馬と多様で深い関係を持ち、馬との豊かな文化を育んできました。日本の在来馬は現在8種類。北海道和種馬、木曽馬、野間馬、対州馬、御崎馬、トカラ馬、宮古馬、与那国馬です。在来馬の飼育頭数は年々減少し、対州馬と宮古馬は20頭前後まで減りました。特徴は、体高(地面から肩までの高さ)が120cm~130cmと小さく、(多くの人がウマと思い浮かべる西洋馬のサラブレットは体高150cm以上)足が短いことです。在来馬には小型と中型があります。
今回公開する与那国馬は小型の在来馬です。日本最西端の離島である与那国島に生息するため、他品種との交配や品種改良が行われることがなく、その系統がよく保たれてきました。農耕、農作物や薪の運搬、乗用などに活躍してきましたが、農機具や自動車の普及などによりその役割を失い、1975年には59頭にまで減少しました。その年に与那国馬保存会が設立され、その増殖に努力が費やされた結果、現在ではその数は約120頭と安定した数を保つようになりました。1969年に与那国町の天然記念物に指定されています。