~完成記念式典を行います~
老朽化したホッキョクグマ舎やアシカ舎を改修し、動物が生き生きと活動する様子をご覧いただけるよう、平成21年度より工事を進めておりました。このたび、寒帯や亜寒帯に生息するホッキョクグマやアザラシをはじめとする動物達を一体的に飼育・展示する施設「ホッキョクグマとアザラシの海」として、オープンします。
新施設「ホッキョクグマとアザラシの海」の特徴
新しい施設は、動物たちをいろいろな角度からご覧いただけるよう、立体的な構造としています。ホッキョクグマの新たな飼育舎は、プールを含む放飼場の面積を約3倍に拡張し、子育てのための空間や、土の放飼場を用意し、絶滅危惧種であるホッキョクグマが生き生きと暮らせるよう、国際的な基準(※)に基づき整備をしました。北極海の環境を再現した1階部分では、ホッキョクグマが水中で見せるダイナミックな行動を間近に観察することができます。
また、ホッキョクグマと生息区域が同じアザラシを近くに展示することで、自然に近い状態での展示をしています。アザラシとアシカのプールは、広くするだけでなく深さにも変化をつけ、自由にのびのびと行動できる環境を整え、水中での動きも直接観察することができます。さらに、室内には極地に住むシロフクロウやスバールバルライチョウも展示します。
※マニトバ州(カナダ)制定のホッキョクグマ保護法における飼育展示施設の基準。マニトバ州は、野生のホッキョクグマの聖地とも言われています。
一般公開について | 平成23 年10 月28 日(金) 11 時(予定) |
新施設の概要 | 1.「ホッキョクグマの海」 展示動物:ホッキョクグマ 2頭 構 造:鉄筋コンクリート造 建築面積:128.63 ㎡ 延べ面積:287.67 ㎡ 放 飼 場:520 ㎡ プ ー ル:面積73 ㎡ 深さ3m 2.「アザラシ・アシカの海」 3.「小動物舎」 4.「水と氷の回廊」 |
展示する動物について | |
「ホッキョクグマの海」 |
ホッキョクグマ(食肉目 クマ科) 肉食性で、アザラシや魚が主食です。体のわりに頭が小さく、前足が大きいなど、泳ぐのに適した体をしていて泳ぎや潜水がとても上手です。氷上で生活し、ときには流氷にのって何百kmも離れたところまで移動することもあり、日本でも北海道や新潟の海岸に流れ着いたことがあります。メスは出産が近づくと雪原に穴を掘り、ここにこもって出産し、冬ごもりの中で子育てをします。 |
「アザラシ・アシカの海」 |
ゼニガタアザラシ(食肉目 アザラシ科) 黒地に白い銭形模様をもつことからこの名前がつきました。太平洋から大西洋まで広く分布しており、日本に定住する唯一の種です。北海道東部の襟裳岬や大黒島・歯舞諸島に生息しており、陸上での移動能力が極端に低く、陸上では強い集合性を発揮します。交尾は水中でおこなわれるため、観察例が少なく交尾行動についてはほとんど分かっていません。 ※アザラシの展示は、輸送時期の関係により12月頃を予定しています。 |
「アザラシ・アシカの海」 |
カリフォルニアアシカ(食肉目 アシカ科) 北アメリカのシアトル近海からメキシコに至る海岸に沿って広く分布しています。主にイワシ、タコ、イカなどを食べています。繁殖期には1頭のオスが多数のメスを したがえ、ハレムをつくって暮らします。流線型のスリムな体つきや、閉じることのできる耳や鼻などは水の中で暮らすのに適応しています。泳ぎも潜水も上手で海中を時速25~30kmのスピードで泳ぐといわれています。 |
「小動物舎」 |
スバールバルライチョウ(キジ目 ライチョウ科) ライチョウは北半球の高山や寒冷地に約30亜種が生息しています。ノルウェーのスバールバル諸島などの北極圏に住むスバールバルライチョウは、ライチョウの中でも世界最北端に生息する亜種で最も大型です。当園では、2008年よりノルウェー・トロムソ大学との共同研究でライチョウの人口繁殖に取り組んでいます。 |
「小動物舎」 |
シロフクロウ(フクロウ目 フクロウ科) すべての鳥の中で最も北方に分布する種です。オスは全身のほとんどが白色ですが、メスには頭と体全体に黒褐色の斑点があります。巣はツンドラや草原のくぼみを利用してつくります。木の枝にとまることはめったになく、単独で平原の氷塊、岩、切り株などにとまって、獲物をねらいます。 |