3月16日(土)~6月9日(日)の間、
国立科学博物館では特別展「グレートジャーニー 人類の旅」が開催されます。
前日に行われたプレス内覧会の様子をご紹介いたします。
人類が初めて現れたアフリカから、地球上のあらゆる場所に広がって行った過程や、
特に過酷な環境である熱帯雨林・高知・極北・乾燥地帯といった「極地」で、どのように生きてきたのか。
それらをテーマに実際に現代もそういった環境で暮らす人々の暮らしや文化なども紹介されています。
プロジェクターなどを使ったものから、現地の物品などをそのまま展示している物まで。
非常に珍しく、迫力ある展示が続いていました。
まず、アマゾンの熱帯雨林とそこに暮らす少数民族のコーナーからスタートです。
アマゾンの熱帯雨林を支える「板根」という特有の根の形状です。
また、そういった地域に今も暮らしている人々の生活の道具なども、現物が多数展示されていました。
イラスト・写真・現物・模型と様々な角度から非常にわかりやすく解説されていました。
中には写真にも納められないショッキングなものも・・・。
是非会場で実物を目にしてほしいです。
続いてインカ文明で有名なアンデス高地のコーナーです。
こちらは、高地で暮らす人々の民族衣装。(女性用ですね)
そういった「極地」で暮らすための知恵と、独特の手法のこめられた、
それぞれの民族衣装がイラスト付きで展示されていたのは非常に興味深いです。
こちらはアラスカ・シベリアなど極北コーナー。このように地域ごとにブースに分かれています。
ガラス壁などなく、目前で剥製なども見ることが可能です。
これが大きさも相まってかなりの迫力がありました。
乾燥地帯ブース内、今回の目玉のひとつ、世界最古のミイラになります。
1~2歳の幼児のもので、約5000年前の、ミイラで有名なエジプトのものよりもさらに古いのだそうです。
そして、東南アジアから日本まで実際に航海した手作りの丸木舟「縄文号」。
また、制作の際に実際使用した同じく手作りの鉄器も一緒に陳列されていました。
このたった数本(総重量5kg程度)の鉄器を制作するのに、
燃料だけで 赤松400本からとった3トンの炭を使ったそうです・・・。
そう数字にすると、
製鉄の技術による人類の革新と、その裏の自然破壊は表裏一体なのだと
改めて実感させられ複雑な気分です。
また、ここまでの第1会場を出て、第2会場へ向かうと、
ニュースなどで芸能人がモデルになったと大々的に出ていたアファール猿人復元プロジェクトも見られます。
アフリカで発見された人類最古の足跡には、大きさの異なる3種の足跡があり、
連れ立って歩くその様や、先を行く大きな足跡の上を踏みしめるように後ろに続く者の足跡がある点などが、
この三人(三体?)は家族だったのでは、と仮説が立てられた要因のようです。
こちらが実際の復元のモデルです。
今回の展示の特徴なのか、ガラスケースなどなく間近で見られるものが多いです。
やっぱり直だと臨場感もありますね。
以上、考古学や人類学に興味が少しでもあれば、何倍も楽しめるんじゃないでしょうか。
非常に見ごたえがありました。
最後に、
同じく国立科学博物館内の「TEATER36〇」で、
新規映像「人類の旅」のプレス試写会も行われていました。
直径12.8メートルの全球型シアターで、ドームの内面全体がスクリーンになっています。
そのため、中から映像を見ると、360度すべてに映像が映し出され、
迫力といい臨場感といい、まるでその場にいるようなリアリティを感じられます。
今回の特別展にも密接に関係のある今回の新作映像は、
6分程度の短いものでしたが、非常に壮大でいい映像でした。
ただ映像がグワーッと寄ったりするのがリアルなので、リアルすぎて酔う人も出そう・・・
それくらいすごかったですよ。
ちなみにミュージアムショップも、第2会場の猿人復元モデルのすぐ先にありますので、
こちらもお見逃しなく!