ホッキョクグマの新しい仲間が来園します

イタリアのファサーノ・サファリより、ホッキョクグマのメス「デア」が来園することになりました。

老朽化が進んだ旧来の施設を改修し、平成23年10月に新施設「ホッキョクグマとアザラシの海」をオープンしました。新施設はホッキョクグマの国際的な飼育基準に適合したもので、繁殖のための施設も完備しています。
これまで上野動物園では、オスのユキオとメスのレイコを飼育していましたが、レイコは今年の2月に28歳で死亡しました。これにより、現在はユキオ1頭だけの飼育となっており、繁殖の取組をすることができません。
国内外の動物園と協力して行う繁殖プログラムのため、新しい若い個体の導入をかねてから計画していました。国内で飼育されているホッキョクグマとの血縁関係や年齢を考慮し、新施設での繁殖を目指すために、今回デアの来園が決定しました。
今回来園するのは、両親のもとで順調に成長している若い個体です。また、現在の日本国内で飼育されているホッキョクグマと血統が異なります。これにより飼育下であっても、遺伝的多様性を保ちながら繁殖を進めることができ、絶滅の恐れがあるホッキョクグマを動物園という生息域外で保全していくことにも役立つものと考えます。


来園するホッキョクグマ
名前 デア(Dea)イタリア語で「女神」
性別 メス
年齢 3歳3ヶ月
(2008年12月2日ファサーノ・サファリ生まれ)
来園予定日 3月16日(金)
公開日時 所定の検疫が終了後、一般公開する予定です。
公開日は決まり次第、別途お知らせします。
なお、展示エリアの環境に慣らすため、検疫中に一時的に展示エリアに出す場合もあります。
参 考 ホッキョクグマ(食肉目 クマ科)
ワシントン条約附属書Ⅱ表、IUCNレッドリスト:VU(危急種)

学名:Ursus maritimus
英名:Polar Bear
体長:頭胴長 オス 2.2~2.5、メス 1.8 ~1.9m
体重:オス 500~600㎏、メス300 ~400㎏
分布:北極圏の海岸、氷山
生態等:北極圏に生息し、陸上で暮らす哺乳類では最も大きなからだの肉食動物です。毛色はクリームがかった白色で、毛が細かく透き通り、太陽光線を透過し直接体を温めます。地肌は黒色です。また足の裏にまで毛が生えているので氷上でも滑りにくくなっています。野生ではアザラシやセイウチ、海鳥、カリブーの死肉や海藻、地衣類などの植物も食べます。動物園ではサツマイモ、リンゴ、アジ、馬肉、鶏頭、ソーセージなどを与えています。繁殖期以外は単独で生活し、行動範囲は広く、餌を求めて歩いたり、泳いだりして何百㎞も移動します。性成熟は生後4~8年で、初出産は5歳ぐらいです。オスはメスの臭いを嗅ぎつけ接近します。交尾期は2~8月で多くは4~5月に氷上で交尾をします。出産期は11月~1月で1~4頭(平均2頭)を出産します。妊娠期間は180~270日と幅があります。平均寿命は野生では30年以上で、飼育下では41年の例があります。なお、日本では、1902年(明治35年)に上野動物園で飼育されたのが最初です。

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