今日から東京国立博物館にて、特別展「京都-洛中洛外図と障壁画の美-」が開催されます。
2013年10月8日(火)~12月1日(日)
東京国立博物館 平成館
というわけで、昨日行われた報道内覧会に行ってきました。
戦国時代末期から江戸時代初期の京都を描いた、国宝・重要文化財などの作品とともに、
先進の技術を駆使した映像での再現なども試みられています。
例えば入って一番最初に目に入るのは、
こちらのスクリーンに映し出された「洛中洛外図屏風 舟木本」の映像コーナー。
実物以上に鮮明で大きな映像で、画質も素晴らしいです。
そしてもちろん実際の作品も間近で目にすることができます。
また、入り口で配られる音声ガイドも、非常にわかりやすい解説なので、
ご来場されたときは是非それを聞きながら展示を見ることをお勧めします。
こちらは歴史の教科書などにもほぼ必ず載っている「唐獅子屏風図」などでも有名な狩野永徳の作です。
織田信長や豊臣秀吉に仕えたとされる絵師です。
こちらは上杉本とあるように、紆余曲折合ったのち織田信長から上杉謙信に送られたものだそうです。
また音声ガイドでも言っていましたが、一説によりますと、
上写真の左に大きくある足利御所に向かう中央の籠に乗っているのが上杉謙信だという説もあるのだとか。
図屏風は2枚一組で、一枚の中で当時の京都の変遷や様子をかなり細かく記しているので、
美術的価値だけでなく歴史的価値も高い貴重な資料とも言えますね。
京都の全容を描いた図屏風の次は、京都御所内のコーナーに移っていきます。
御所の中でも即位式などを行う非常に重要な紫宸殿内にかつてはあったとされる賢聖障子絵です。
中国古代の賢人たち32人が並んだ障子絵になります。(こちらは開催期間の前期と後期で半分ずつ入れ替わるようですね)
中央の水色の頭巾をかぶっているのが、三国志でも有名な諸葛亮(諸葛孔明)なんだそうです。
その一つか二つ隣には劉邦の軍師であった張良の絵もありました。(司馬遼太郎の本にもある項羽と劉邦の劉邦ですね)
京都御所内のコーナーが終わると、一度展示コーナーから出て、ミュージアムショップの前を通ります。
そして龍安寺のコーナーです。
まずは有名な龍安寺の枯山水の石庭の四季を映した映像コーナー。
本当に庭園を縁側から眺めているかのような迫力ある映像です。
かつては龍安寺内にあったとされる襖絵です。
こちらは火事で焼けたことで別の場所に寄贈されたり、
明治期の廃仏毀釈から逃れてアメリカにわたってしまったものなどが初めて一堂に戻ってきたのだそうです。
京都では見られない京都、というのはこういう意味もさしているのですね。
そして最後に、二条城二の丸御殿を再現したようなコーナーです。
狩野探幽筆の松鷹図です。
※雲龍図などで知られる、狩野派の代表的な絵師の一人で、先ほどちらりとふれた狩野永徳の孫にあたります。
徳川家とかかわりの深かった狩野派の手による作品が多数あり、そういった意味でも見どころがありました。
今回の展示はガラス越しとはいえ、歴史的・美術的ともに価値の高い作品をかなり間近で見ることのできる機会だと思います。
近世頃の作品、狩野派の作品などご興味ある方には特におすすめできるかと思います。
また東京国立博物館さんでは同時期に「上海博物館 中国絵画の至宝」展も開催されていますので、
そちらと合わせて足を運ぶのもいいですね。
以上Sayukiでした。