本日は明日から公開となる「聖地チベット ポタラ宮と天空の至宝」のプレス発表会の方へ行ってきました。
今回の展覧会はチベット文化を総合的に紹介する日本では初開催の展覧会になるようで、世界文化遺産に登録されているポタラ宮を中心に各地の寺院や博物館より123点を集めて展示しています。
同じ仏教国である日本とは大きく異なる表情豊かな仏像の数々・・・。そして展示物の3割が日本でいう国宝に相当する一級品が集められた充実の内容になっています。
仏像・絵画・衣装・楽器などなどチベットの文化の真髄に触れられるこの展覧会をお楽しみください。
サキャ派伝統に連なる、現存する持金剛仏以下計21体のなかから、5体が出品されています。薄暗い中にライトアップされ、より豊かで神秘的な表情を見せています。
ダライラマ1世坐像
ダライラマの称号を継ぐ人は入滅後も転生して現れ仏の教えは絶えることがないということです。
そしてそれは今でも続いていますね。
ターラ樹の葉に東インドあるいはネパールの文字で「般若経」書写した貝葉経。
1000の手と眼、11の顔を持つ十一面千手千眼観音菩薩立像。
地獄の亡者も含め、すべての者をもらさず救おうとする観音菩薩の慈悲と力を表しているそうです。
カーラチャクラ父母仏立像
慈悲の象徴である父と智慧(般若)の象徴である母が抱き合う姿が一体となり悟りの世界へ到達できる教えの象徴。
写真パネルでチベットをより分かりやすく紹介。
ヤマーンタカ父母仏立像
9つの顔、34本の手、16本の足を持ち煩悩を象徴する動物や悪魔を踏み潰す。こちらもまたおもしろい像でした。
チベット法具
密教儀礼や修法の実施にあたり不可欠な物。中でも高僧の頭蓋骨を利用するカパーラはチベット密教独自の法具で、儀式用の液体を聖水に変えるようです。
今回の展覧会は建築や絵画など多くを収めているポタラ宮からの出展が多く、日本の密教とは違う、チベット密教の魅力を存分に楽しめる展覧会になっていると思います。世界が注目するチベット文化を上野でご自分の目で確かめてみて下さい。仏像ファンは必見ですよ。
【会場】上野の森美術館
【会期】2009年9月19日(土)~2010年1月11日(月)
【時間】10:00~18:00(入館は閉館の30分前)
【観覧料】一般:1400円、高大生:1200円、小中生:800円
【問い合わせ】03-5777-8600