本日は明日から開催されるボルゲーゼ美術館展の報道内覧会へ行ってきました。
日本ではあまり知られていない美術館ですが、ヨーロッパではシピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿が情熱的に集めた絵画・彫刻が集められルネサンス・バロック美術の宝庫としてとても知られた美術館です。美術館の建物はそれほど大きくないため、観覧は予約制になっているようです。
そして今回の展覧会にはボルゲーゼ美術館のコレクションの中から約50点が出品され、その多くが日本初公開の作品になっています。謎多き名画 ラファエロの「一角獣を抱く貴婦人」、カラヴァッジョの最高傑作「洗礼者ヨハネ」をはじめベルニーニ、ボッティチェリなどイタリア美術の最盛期の作品が見られます。
また、今回の展覧会を最後に東京都美術館は2年間の大規模改修のため休館になります。創立以来の美術館を見る最後のチャンスでもあるこのボルゲーゼ美術館展に足を運んでみてはいかがですか。
いよいよ明日から公開になります。
ジャン・ロレンツォ・ベルニーニ 「シピオーネ・ボルゲーゼ枢機卿の胸像」
大理石に生命を与えたと称される17世紀最大の芸術家
ラファエロ・サンツィオ 「一角獣を抱く貴婦人」
ダ・ヴィンチの「モナ・リザ」に感化されているそうです。かつてはマントを羽織り一角獣の上から車輪が描かれ、別の画家の作品といわれていました。修復前と修復後を見比べられる展示になっています。
プロジェクターによってボルゲーゼ美術館の映像が流されており、20室にボルゲーゼコレクションが展示されているそうです。
日本初公開の作品が多数あり、みごたえ充分の内容になっています。
ヴェロネーゼ 「魚に説教する聖アントニオ」
聖フランシスコ会の修道士アントニオにまつわる多くの伝説のうちの一つ。聖人の話を聞くために人々たちだけでなく魚も集まったという伝説シーン。海の青緑と人々の多彩な色彩が対象的に描かれている。
ブレシャニーノ 「ヴィーナスとふたりのキューピット」
愛と美の女神ヴィーナスが裸で貝を持っていることから海から誕生したことを思い起こさせます。背後のキューピットは恋をつかさどる神。弓と矢を手に見る人をときめかせようとしているのでしょうか。
カラヴァッジョ 「洗礼者ヨハネ」
みどころの作品の一つだけあって多くの人が熱心に見入っていました。
1606年36歳の時に口論の末、知人を殺してしまい恩赦を得るため絵画収集で有名だったボルゲーゼからとりなしを得るため逃避行中に描いた作品。全体的に暗い中、気だるげな表情があやしい魅力になって漂っています。
【会場】東京都美術館
【会期】2010年1月16日(土)~2010年4月4日(日)
【時間】午前9時~午後5時(入室は午後4時30分まで)
【観覧料】一般:1,400円、大学生:1,200円、高校生:700円、65歳以上:800円
【問い合わせ】03-5777-8600