今は、表参道ヒルズになったあたりに、ものすごく古いアパートがあったのご存知でしたか?表参道の並木にマッチした趣きあるアパートで、よくトレンディードラマのロケにも使われていました
関東大震災以降に東京各所に立てられた同潤会アパートの一つでした。ほとんどが戦災や都市開発でなくなっているのですが、
上野にはまだ当時(昭和3年・1928年)そのままの建物が現役で現存しています。正直、われわれ悪ガキ共は「もの凄く古い、ボロッチいアパート」って程度の認識しかなかったですが。
大人になってからこのアパートが、東京における建物史のなかでとても貴重な文化遺産であることがわかってきました。
同じ概観の建物でも表参道にあると「趣きある建物だなぁ」となり、上野の台東区役所の裏側にあると「もの凄く古い建物だなぁ」となるのは不思議なものでね。
建築学的な知識がない私は、今でも、なんどその前を自転車で通っても「古いなぁ・・」としか感じません。
でも、建築や古い建物にご興味ある方ならその「価値」や「良さ」がお分りになるかもしれませんから、春になって暖かくなり、上野から浅草まで歩いて行こうと思ったときなどはチョッと寄り道して前をとおってはいかがですか。
(稲荷町駅浅草方面行出口出て左に曲がって、一番目の角を左まがってスグ右です、この説明で行けたら立派です)
当時のガキ共は、その「上野下アパート」って名前で「上なのかよ下なのかよ、どっちなんだよぅ」と、とってもラベル(レベル)の低い話で盛り上がっていました。