上野動物園にはモノレールがあります。動物園にいらっしゃった事がある方なら、お子様が小さい時、デートの時など、一度はお乗りになった思い出があるのではないでしょうか。
実はあのモノレールは、浜松町、羽田間のモノレールのズット以前からある日本で初めての正式営業運行したモノレールなのです。
もちろん、われわれ下町のガキ共は何度も乗りました。
乗って、必ず言うことは「チェ!もう着いたのかよぅ!」でした。
所要時間は約90秒なのだから、しょうがないですよね。
でも、なけなしの小遣いをはたして乗っちゃうのですよねぇ、
ここでも「わかっちゃいるけど、やめられぬぅ・・」という
人生の奥深さを学ぶのです。
面白かったのは、我々が、こどもの時つまり高度成長期はよく交通ストが行われました。
その時、動物園は平常どおりやっているのにモノレールは「スト中」って張り紙はってあって運休するのです。
それは、上野動物園のモノレールは「遊戯施設」ではなく、東京都交通局の上野懸垂線という正式交通機関だからです。
子供心にせっかく遠くから上野動物園に来たのに、ストの張り紙を見てガッカリしている同じ年頃のこども達を見て「俺達はいつでも乗れるけど、遠くから来たのに可愛そうだなぁ・・」ってストシーズになると感じた事を思い出します。
子供の私が「スト」とか「労使」とか「春闘」という言葉を初めて、自分の生活の中で身近に感じたのは上野動物園のモノレールがストした時でした。
正式名称が「上野懸垂線」だから、羽田モノレールのように「跨座式」(コザシキ・またがり式)じゃないのでこれからもぶら下って走るのかなぁ。
でも、上野動物園のモノレールはこれからも、あのチョッと頼りなげなあのスタイルで走り続けてほしいです。
但し、こども達の為にもストはしないでほしいものです。