スマトラトラとアカカワイノシシがやってきます

上野動物園では、よこはま動物園ズーラシアから、スマトラトラ1頭とアカカワイノシシ1頭が来園することになりました。

スマトラトラ
来園するスマトラトラ 【名前】トップ
【性別】オス
【年齢】13歳10ヶ月(1997年8月20日 上野動物園生まれ)
【来園予定日】2011年6月6日(月)
飼育場所 東園「ゴリラ・トラの住む森」 トラ舎
検疫終了後一般公開する予定です
経緯等 スマトラトラは野生下で絶滅が心配される希少種で、動物園ではその繁殖に取り組んできましたが、国内では1997年に上野動物園で3頭繁殖したのが最後となっています。
そのうちの2頭(オス1頭、メス1頭)を2002年によこはま動物園にブリーディングローンで貸し出していましたが、近年海外の動物園から新たな個体が導入されたことを受け、国内でのスマトラトラの種の保存計画により、このたびオスの個体を戻し、さらなる繁殖に取り組むことになりました。

※ブリーディングローンについて
繁殖を目的とした動物の貸借契約のこと。動物園間で個体を移動させることによって、新たなペアを形成し、繁殖に寄与することを目的としています。

上野動物園の飼育状況 3頭(オス1頭、メス2頭)※今回来園する「トップ」を含みません
・オス「クンデ」5歳 2007年1月31日 スペイン、フエンヒローラ動物園より来園
・メス「マニス」3歳 2008年8月8日 インドネシア、タマンサファリより来園
・メス「インダ」5歳 2010年12月15日 カナダ、トロント動物園より来園
国内の飼育状況 4園 7頭(オス2、メス5)
参考 ◎スマトラトラ(食肉目 ネコ科)
ワシントン条約附属書I表、IUCNレッドリスト:CR(絶滅寸前種)、東京都ズーストック種、東京動物園協会保全対象種

分布:インドネシアのスマトラ島
生態等:体色はくすんでいて、黄土色の地に黒い縞模様があります。トラは8つの亜種に分けられますが、スマトラトラはもっとも体が小さく、他の亜種より縞の量が多く明瞭で、肩背部より後は2本ずつの束になっています。また、オスは他の亜種よりも頬の毛や首筋のタテガミが長く伸びるのが特徴です。肉食性で、シカやイノシシなどの大型草食獣、サルやウサギなどの小獣、クジャクなどの鳥類のほか、魚や昆虫類まで捕食するといわれています。森林内に単独で広大な縄張りを作って生活し、その縄張りはオスで5,000ha、メスでも約2,000haにも及ぶとされています。3~4歳で性的に成熟し、寿命は野生で約15年、飼育下では20年程といわれています。

アカカワイノシシ
来園するアカカワイノシシ 【名前】リク
【性別】オス
【年齢】5歳(2006年4月18日 よこはま動物園ズーラシア生まれ)
【来園予定日】2011年6月6日(月)
飼育場所 西園走禽舎(オオアリクイ・カンガルーなどを展示)
検疫終了後一般公開する予定です
経緯等 上野動物園では、展示動物の多様性を高めるためイノシシ科の哺乳類の導入を計画していました。このたび、危険分散(※)を目的として、よこはま動物園ズーラシアからアカカワイノシシ1頭を借り受けることとなりました。上野動物園ではアカカワイノシシは初の展示となります。

※危険分散について
希少動物を飼育するにあたり、1施設のみで飼育していると、伝染病などが発生した場合、その個体群すべてが危険にさらされることとなります。これを避けるため複数個所で飼育し、緊急時にその種を維持できるようにすることをいいます。トキやツシマヤマネコなどで行われています。

上野動物園の飼育状況 これまで展示・飼育したことがありません
国内の飼育状況 1園 14頭(オス9、メス5)
参考 ◎アカカワイノシシ(偶蹄目 イノシシ科)
IUCNレッドリスト:LC(軽度懸念)

分布:セネガルからコンゴ民主共和国までの西アフリカから中央アフリカ
生態等:全身に明るいレンガ色の剛毛が生え、顔とたてがみに白い模様が入ります。耳が大きく耳先の房毛が細長く伸びています。森林やその辺縁部、深いやぶなどに棲息する。4~20頭ぐらいの群れで生活し、主に薄暮すぎから活発に活動します。食べ物は主に根茎、落ちた果実などですが、トカゲやヘビあるいは鳥の卵なども食べます。発情期は12月~2月、出産期は4~6月で3~5頭の仔を産みます。日本に棲息するイノシシと同様、仔は縞模様が入るいわゆる「うり坊」です。

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